ロボカップ表彰状

2016年3月に愛知県で行われた「ロボカップジュニアジャパンオープン2016愛知」のダンス チャレンジ プライマリ部門でレゴ®スクール吉祥寺校のロボティクスクラスのチームが優勝し、7月にドイツのライプチヒで開催された世界大会に出場。ポスター部門で入賞するという快挙を成し遂げました。

ロボット教室というよりはブロック遊びのイメージが強いレゴ®スクールですが、どのように世界を相手にするスキルを子どもたちが身に着けたのか、また世界大会で得たものは何だったのかを、ドイツで戦った吉祥寺校のロボティクスクラスの5人の生徒と先生に尋ねてみました。

レゴ®ブロックを使った「体験型の学び」

いろいろなパーツを積み上げて遊ぶブロックといえば、誰しも子ども時代に一度は触れたことのあるおもちゃではないでしょうか? 中でも、デンマーク生まれのレゴ®ブロックは、細かな部分まで配慮されたパーツが充実し、子どもたちのモノづくりの感性を刺激。世界中の子どもたちに愛されています。

この、遊びながら子どもの自由な発想力を育むという、レゴ®ブロックの特性を授業に取り入れたのがレゴ®スクールで、「子どもたちの自発的な学びは遊びから生まれる」というレゴ社の理念を教育というかたちで実現させたものでもあります。

レゴ®スクールはデンマークにあるレゴ®ブロックの本社が作成したカリキュラムに基づき、世界中に教室を広げています。日本にも、レゴ社認定のインストラクターが指導する教室が東北地区2カ所、関東地区11カ所、東海地区1カ所、関西地区1カ所の計20カ所にあり、現在もその数を増やしています。

レゴ教室の様子
吉祥寺教室には幼児用のブロックから組み立てキットまできちんと整理されていました。現在約260名の子どもたちがここでをレゴ®ブロックを使って学んでいる。

世界に挑むロボティクスクラスの様子は?

レゴ®ブロックを使った教育メソッドは3~5歳のEarly Learing教室、6~8歳のSceince & Technology教室、8~10歳のWorld of Robotics教室の3段階が基本ですが、2歳児向けの教室や、学んだことをさらに高度なプログラミング学習に発展させる11歳以上を対象にしたロボティクスクラスをオリジナルで設け教えているところもあります。

株式会社ラーニングシステムが運営するレゴ®スクールは、このオリジナルカリキュラムを展開しており、その中の吉祥寺校のロボティクスクラスは2016年3月25日~27日に愛知県で開催された「ロボカップジュニアジャパンオープン2016愛知」で優勝。6月29日~7月3日にかけドイツのライプツィヒで行われた世界大会への出場権を獲得しました。残念ながらドイツの世界大会では、演技での入賞を逃しましたが、自分たちのロボット制作の工程やプログラミングレポートを1枚の大判用紙にまとめ掲示するポスター部門では、見事に入賞という成果を挙げました。

ブロック遊びからロボットのプログラミング教育につなげ、世界大会でも注目される教室とは、いったいどんな様子なのか? 気になるところです。

そこで、チームの男子生徒5人と、彼らを指導するインストラクター佐藤尚子さんを帰国後早々に訪ねてみました。

世界大会入賞
写真(左)。「宙ペンギンー短い宙の旅ー」で使ったロボットとメンバー5人。左が佐藤先生/写真(中)。入賞したポスター。写真のディスプレイや全体のデザインに細かい工夫が/写真(右)。全員に贈られた世界大会の参加証明書

 

ロボカップジュニアジャパンオープンってどんな大会?

世界大会へ参加するために勝ち抜かなければならない「ロボカップジュニアジャパンオープン」は、一般社団法人 ロボカップジュニア・ジャパン(RCJJ)が主催する大会で、レゴ®スクールだけが参加する大会ではありません。日本の子どもたちが「モノづくり」の重要性や知的好奇心、協調性などをロボットを通して育んでいくことを目指し、すでに1998年から始まっていた大人向けのロボカップジャパンオープンに、2006年から子どもを対象にした大会を加えスタートしたものです。

全国から集まったロボットに興味のある子どものグループが、趣を凝らしたロボットとプログラミングの性能を競い合う全国大会です。レゴ®スクールのロボティクスクラスは、このロボカップジュニアジャパンオープンの出場過程を通じて、コミュニケーション力や主体的に活動する力を育むことを目的に出場を目標にして授業を行なっているのです。

エントリーできるカテゴリーは、「サッカー チャレンジ」、「ダンス チャレンジ」、「レスキュー チャレンジ」の3つで、各カテゴリーにエントリールールが異る部門が設定されています。

吉祥寺校が優勝したのは「ダンス チャレンジ」のプライマリ部門で、実演タイトルは「宙ペンギンー短い宙の旅ー」とペンギンが主役の演技でした。遊園地のペンギンが来園者の飲み残したエナジードリンクを飲むと、宙(そら)を飛べるようになり旅をはじめます。そして、離ればなれになった母親と再会するという物語で、優秀プレゼンテーション賞も受賞しました。

これまでは「徳川家康」、「伊達政宗」、「エジソン」といった歴史上の人物をテーマにした展開でチャレンジしていましたがどれもイマイチで、その流れを変えたいと思い今回の物語が出来たそうです。ロボットを飛ばしたいという発想から、飛んだら意外なものは何だろうと考えを広げ、ペンギンという主人公になりました。

この「宙ペンギンー短い宙の旅ー」は、物語も意外性があって面白いのですが、そのシーンに見合うロボットの演出も飛ぶイメージを坂で表現するといった工夫が凝らされており、そんな発想の豊かさが評価のポイントになりました。

ロボカップジュニア世界大会の様子
世界大会の様子。右はパフォーマンス中に映像が流れない緊急事態が発生し、もう一度演技をさせて欲しいと自分たちで交渉を英語で行っているところ。

ロボカップジュニアジャパンオープンでエントリーできるカテゴリー

「サッカー チャレンジ」

ロボットによるサッカー競技で、ロボットの性能のみならず協調性も必要です。小学生から参加できます。

「ダンス チャレンジ」

ロボットの振り付けをプログラミングし、パフォーマンスするダンス競技です。ダンステーマやロボットの装飾も重要です。

「レスキュー チャレンジ」

ロボットが災害現場を想定し迷路のようになったコースから、早く被災者を見つける競技です。

勉強もロボティクスクラスも両方頑張る子どもたち

チームのリーダーを務めたニックネームBOSS君は、「通い始めた動機は、親が通ってみたら?と勧めたせいだと思います。自分から行きたいとは言っていないのですが、逆に通いたくないとも思いませんでした。気が付いたらずっとやっているって感じです。でも僕、今中学3年でこのロボティクスクラスも卒業。大会も4回目の参加ですが、これで最後かなと思うと、これまでとは違うことをやらなきゃ!とみんなで話し合いました。これまでは、歴史シリーズで負け続きだったんで…。」とこの吉祥寺校には3歳から通っているといいます。高校受験を控え、学年的にも今年で最後になる今回の大会は、例年以上にこだわったそうです。「世界大会から帰国した翌日が期末試験でした!でも、結果は悪くなかったです」と、受験生とは思えない余裕をインタビューで見せてくれました。

大会は毎年開催されますが、レゴ®スクールの場合、教室に通う子どもの数や年齢構成が毎年変わるため、挑戦するグループのメンバーも期間限定での活動になります。

「期間限定だからこそ、子どもたちは惰性ではなく、真剣に新しいチームとして関わっていけるんです。全員が入れ替わるわけではありませんが、新しいメンバーが加わると新しい意見が入るわけで雰囲気も違ってきます。今年も1名、この吉祥寺校の別のチームから新メンバーがドイツに行ったチームに加わりました。彼の参加でこれまでとは違う、新しい発想が生まれたようです」と指導するインストラクターの佐藤 尚子さんは、メンバー同士の刺激が向上心につながったと、今年のチームの強さの理由を教えてくれました。

世界大会メンバーの様子
「思春期ですから」と恥ずかしそうにしながらも、質問にはみんなきちんと答えてくれた。チームワークの良さを感じさせる会話は楽しそうの一言。

さらに佐藤さんは、レゴ®スクールのロボティクスクラスでは、インストラクターは子どもたちの自主性を尊重し、指導者はロボカップジュニアジャパンオープンのテーマやプログラミングの構成、スケジューリングなど、活動を円滑に進める役目に徹すると付け加えました。

それは、ロボカップジュニアジャパンオープンの優勝を目指してはいても、求めるのは優勝という結果ではなく、そこで何を学ぶかが重要という、主役は子どもたちというスタンスで、それがどのコースにも共通するレゴ®スクールの理念だといいます。

BOSS君に限らず、ここにいる男の子たちの多くは、比較的小さい頃からレゴ®スクールに通っているそうです。世界大会を目指して教室に通うというよりは、むしろブロック遊びから自然に理論的なモノの構造を学び、ロボットが動く仕組みに興味を覚えていった子どもたちでした。「そんなに長くレゴをやって、やめようと思ったことはないの?」という質問に「他にやりたいことはあるけど、ここをやめたいと思ったことはないよ~」と口々にいう子どもたちの声は、自分たちの力で国内大会を制し、世界大会への参加を成し遂げたという自信に溢れていました。

「世界大会で子どもたちがとても成長しました」とインストラクターの佐藤さんはいいますが、遊びの先に見える学びを小さな頃からしっかり体験しているからこそ、世界の舞台で得ることも多かったのではないかと感じました。優れた玩具で子どもたちの可能性を少しずつ広げるということが、レゴ®スクールの大きな魅力でもあると思いました。

BOSS君
最後まで残って報告書をまとめていたBOSS君は受験生。目標高校も志高く挑みたいという。

 

チームの5人に世界大会の感想や様子を聞いてみました!

  • 世界大会では、大きなロボットが多くて驚いた。
  • アニメや映画のキャラクターを使っているチームも多かったけれど、自分たちのオリジナルペンギンの評価をしてもらえた。
  • 学校で有名人になれた!!
  • 国際的な会場で、外国人の女の子ともメアドを交換してしまいました!
  • プレゼンも何もかも英語!しかも自分たちでやらないとダメなので、ドイツに行く前は英語の勉強ばかりしていました。でも実際行ってみると何とか通じることが分かり安心しました。世界大会では言葉の大切さが分かり、これからも英語を勉強したいと思いました。

ロボカップジュニア世界大会のメンバー

ドイツに同行した佐藤インストラクターの感想

8日間のドイツは子どもたちを大きく成長させました。

まず、運営ですが日本と違って自分から情報をとりにいかなければなりません。日本の丁寧な運営では、自分が声を発しなくても大きな問題は起こりませんが、世界大会では分からなければ自分から聞きにいかないと、本当に置いていかれます。

積極性も外国勢は日本チームと全然違います。とにかく主張をしなければ不利な立場になる場面も、大会中多々ありました。でも、子どもたちも慣れてくると海外チームに負けず、身振り手振りで審判に英語で抗議していて、その姿が本当に頼もしく見えました。

あと、海外チームに比べまだまだなのがプレゼンテーションでしょうか? 君はスティーブ・ジョブスか! みたいな堂々とした海外チームの子どもたち! しかもたくさんいて、正直これは負けていると思いました。子どもの自己主張の差に関しては、レゴ®スクールというより、日本の教育全体の課題かもしれませんね。

全国大会から世界大会に向けた3カ月、試験や部活で忙しい子どもたちにとっては、かなりのハードワークだったと思います。チームのメンバーが中学生で、時間や場所の制約の中でスケジューリングの大切さを痛感しました。でも最後は皆の笑顔で終わったことに満足しています。

レゴ®スクールは、ブロックの制作技術やプログラミングスキルを高めることを目的にしているのではありません。制作を通して子どもたちが自ら「考えたな!」、「チャレンジできたな!」と実感できるレッスンを行うことを目指しています。私はここで、スク―ルの子どもたちの成長を感じながら、日々の指導に努めています。毎日楽しいです。たまに、厳しく怒ったりしますが(笑)。

佐藤インストラクター
佐藤インストラクターは元教師、子どもは大好きだという。

レゴ®スクール吉祥寺校

JR中央線・京王井の頭線「吉祥寺駅」 徒歩3分

〒180-0005東京都武蔵野市御殿山1-6-8ムサシヤビル2F

TEL : 0422-40-6551   FAX : 0422-40-6552

<お問い合わせ受付時間> 月~金 13:00~18:00 (祝日は除く)

http://www.mdstorm.com/class/class.html

株式会社ラーニングシステムが運営するレゴ社公認の教室。自由が丘、吉祥寺、立川、横浜みなとみらいの4教室があります。